話題のスポットから気になっていることまで、設計部コラム ←前の記事へ 次の記事へ→
静寂と匿名
「サウンドスケープ」
日常生活において音が存在しない場所があるだろうか。完全な静寂。 場所が音を選ぶのか。音が場所を選ぶのか。
夕暮れの町並みに溢れだした音たちは、ふとした瞬間に静寂をもたらす。
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■2008.3.31
■IA
■音色世界 |
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shinjuku-夕暮
都市に立つと周囲から何種類もの音が溢れ、聴覚を刺激する。 歩みを進めると、ファサードを開け放った店舗からは音楽と共にリピートされる呼込みの声が、パチンコホールの横を通り過ぎれば、自動ドアが開くたびに大音量の音楽が流れ込んでくる。クルマの走行音や、電車の音、信号の音、駅改札の無機質な音。
このような音は決して心地よいものでもないかもしれない。しかし、この場所で音が無いことを想像することは、想像を超えた難しさなのかもしれない。
以前新宿の街をビデオカメラ片手に歩き回ったことがある。何年も前のこと。顔の横にハンディを構えてひたすら歩く。目的があったわけでもなく、ただひたすら新宿を映した。
偶然にも撮影したテープをミュートで見ていた時、人の表情と街の装飾が鮮明に、そして新鮮に感じたことを覚えている。
音は聴覚だけでなく周りの情報あってこそ成立していると。
匿名性を生み出すもの
都市の雑踏というのは時に「無名なものの集まり」「都市の匿名性」などといった表現がされる。パーソナルなものを打ち消す、溢れ続ける音。道行く人、誰に向かって鳴らされたかわからないクラクション。一瞬のうちに過ぎていく音は、重なり合い、とめどなく都市空間に溢れ続けている。
帰宅を急ぐ夕暮れは、色彩や音と表裏一体だと感じ続けた。
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