話題のスポットから気になっていることまで、設計部コラム                   ←前の記事へ        次の記事へ→

公開領域

「トレースされた新宿」

 LRT(ライトレールトランジット)は中心市街地の活性化と、交通と商業地域の緩やかなつながりを実現させる手段の一つとして注目されているようです。ショッピングセンターの郊外化が進むなか、今もう一度既存資産としての市街地中心部を見直すという機運が高まっているのではと感じます。そういった一方で地形の特質がトレースされた魅力ある空間が新宿にはあるようです。

 

■2008.5.31

■IA
■都市地形


Photo: モザイク通り

完結しない吹き溜まり

都市空間の中には誰もが入ることが出来る場所がいくつかある。たとえば建物でいえば「商業ビル」、空間で言えば「公園」や「歩道」などがそうであるように。そのなかのひとつに「ターミナル」がある。

新宿駅モザイク通り

西口に出て、京王線の乗り入れ口を横目に、ルミネへつづく外部空間。少々きついスロープにショップが隣接している。ここは傾斜路という性格上、人が立ち止まる場所ではない。この写真の先にはモザイク広場がある。
この場所、特にモザイク通りは西口から南口へとショートカットする空間として利用されているようで、通路のような、あるいはビルの中にいるような感覚を思い起こさせる。 新宿駅自体非常に起伏があり、ちょっとした共有通路でさえ新宿という地形をトレースしながら空間がひとつながりになっている。

メトロプロムナード

丸ノ内線新宿駅を中心に、小田急ハルクから新宿三丁目にかけて連絡される地下通路。小田急線を利用する人にとっては、外部空間に出ること無く、新宿駅の東側へと移動することができる。ここでは地形のトレースというよりは、重層化されてしまった新宿駅自体の地形的断面を体感することになる。空が見えない環境を歩くという行為が方角感覚を鈍らせるかということも実感する。


オーバーグラウンド

建築物によって階層・重層化された空間。地形的特質を反映した空間。それらを緩やかにトレースする空間。変化を続ける街の風景は、新宿オリジナルを創り続けていく。